貯水池の開発問題
コロラド州のような、乾燥・半乾燥地域では、貯水池の開発をふやしていくと、蒸発損失による給水量の減少が、貯水池からの放流の増加の可能性を上まわるようになるかもしれません。
堆積物の沈積(堆砂)は、水を貯えるように設計されているのに、新しい人造湖は、流水に運搬された堆積物をじきに貯留しはじめます。
とくに乾燥地域や半乾燥地域では、貯水池は堆砂により貯留容積をかなり失います。
流域内の浸食過程と流入諸河川が、堆砂のおもな起原ですが、人造湖自身の湖岸浸食や、湖水内の化学的平衡の変化による流入河川の溶解物質の一部の沈澱や、生物学的過程で分解されなかった残渣や、風積物なども沈泥過程に加わることがあります。
観測された堆砂の速度はたいへんなもので、アメリカの1105の小さな(貯水容量100エーカー・フィート、つまり14万m3以下の)貯水池では、平均して20年間に貯留容量の54%が失われました。石塚孝一氏によると、大きな(貯水容量100万工一カー・フィート、つまり14億m3以上)の貯水池では、3%しか失われなかったのです。
堆積盆地の特性に基づいた河川の沈泥特性と、堆積物の運搬を予測する理論や、地域的な経験式がいろいろと試みられてはいますが、不確定的要素がたくさん残されています。
運河の開さくや通水に及ぼす下流部の影響や、河口や湖況の栄養分に及ぼす下流部の影響は、いうまでもなく、貯水池中の沈泥容積と関係があります。